Press Release

プレスリリース

スズキが、2024年2月27日にエブリイとエブリイワゴンの一部改良版の受注販売を開始

新型スズキ エブリイ

「スズキ」が、2024年2月27日に軽商用バン「エブリイ」(3DB-DA17V / 5DB-DA17V)と、軽ワゴン「エブリイワゴン」(3BA-DA17W)の一部改良版の受注販売を開始しました。

新型「スズキ エブリイワゴン」 パールホワイト(Z7T)
※新型「スズキ エブリイワゴン」 パールホワイト(Z7T)

「軽キャンパー」「ドリームミニ」のベース車としてワゴンタイプの「エブリイワゴン」はほとんど選ばれることがないので、バンタイプの「エブリイ」に絞って話を進めていきたいと思います。

前期型(HBD-DA17V)から大きく変更された点には、個人的な意見として以下が挙げられます。

  1. JOINターボの生産再始動
  2. 5AGSの廃止とCVT(自動無段階変速機)の採用
  3. ハイグレードなオプションの追加
  4. 新カラー導入で全7色になる
  5. その他

1.JOINターボの生産再始動

軽キャンパー業界に衝撃が走った前期型「エブリイ」のJOINターボの生産終了から約二年、想像した以上に早目の再始動となりました。

他メーカーのターボ搭載軽バンの台頭などによる販売台数の減少が原因だったと思われますが、それらライバルの中でも筆頭だったといえる「ダイハツ」の失敗により「アトレー」が事実上新車の販売をストップ。その機を狙って前倒しで受注生産を再開させたようにも見えます。流石「スズキ」さん、決断力と行動力が他メーカーと比べ抜きんでていますね。

後に触れますが、トランスミッションは新たに設定されたCVT(自動無段階変速機)のみになります。5速マニュアルが復活しなかったのが残念ですが、ほぼ軽ワゴン化されたがゆえに需要が見込めないのでしょう。また、4WDに関しても変更が有り、3段階の電子制御式パートタイム4WD(前期型まではフルタイム)を採用しています。

そして、これも後ほど触れますが、「フルオートエアコン」などのハイグレードなオプションもいくつか採用されています。加えて、待望視されていたボディカラー「パールホワイト(Z7T)」も新色として追加されることで、「軽キャンパー」のベース車として申し分のない仕様にアップグレードされての復帰となりました。当然価格は上げられていますが、「ドリームミニ」のベース車として選ばれる割合もグンと増えると予想します。

2.5AGSの廃止とCVTの採用

初速のノロノロ感がゆえに決して評判が良いとは言えなかった5AGS(5速オートギヤシフト)。個人的にはあまり気になりませんでしたが、毎日(特に仕事で)使っている人には結構ストレスだったのでしょう。2速発進への改良などのテコ入れも虚しく、今回から廃止されることとなりました。

変わって新しく採用されたのがCVT(自動無段階変速機)です。無段階ゆえスムーズに変速され、燃費性能良し、静寂性良しのトランスミッションとなっています。以下は、スズキ公式ホームページからの引用です。

低速域から中速域では変速による、ショックの少ないシームレスでスムーズな加速を実現。高速域では回転数を抑えることで、燃費の向上と車内での会話がしやすい優れた静粛性に貢献しています。 *CVT = Continuously Variable Transmission

スズキ販売店の営業さん曰く、ハスラーやソリオなどの一般乗用車両と同等の乗り心地になったとのことです。それはそうでしょう、もちろん期待していますよ。ただし、ちょっとだけ気になるのが、5AGSの採用当初にも同じような謳い文句が並んでいた覚えがあることです。これに関しては世に出回りだしてからのユーザーの声が一番頼りになりますので、それを待ちましょう。

あと、CVTの採用に連動するように、4WDの仕様も変更されています。3つのモード「1.通常走行用(2WD)、2.路面状況に応じて駆動力を制御する(4WD AUTO)、3.山間部の未舗装路などで力を発揮する(4WD LOCK)」の電子制御方式で、モード切り替えボタンを用いたパートタイム4WDとなっています。前期型までフルタイム4WDだった「JOINターボ」もこのパートタイム4WDへ変更となったので、この点は素直に喜ばしいと思う人も多いのではないでしょうか。

走行性能の向上についてもう一つ挙げるとすると、ブレーキの補助機能ぬかるみ脱出アシストの採用でしょうか。ぬかるみなどで空回りした左右どちらかの駆動輪にブレーキをかけることでもう一方に駆動力を伝達するシステムのことで、正式名称は「ブレーキLSDトラクションコントロール」といいます。

3.ハイグレードなオプションの追加

昨今の軽自動車の高級化の波に、「エブリイ」もノリノリに乗ってきました。特出すべきはやはり「JOINターボ」で、「後方両側ワンアクションパワースライドドア」や「フルオートエアコン」まで装備させられるようになっています。

もちろん、他のグレードにも前期型までにはなかったオプションが幾つか加えられています。たとえば、「バックアイカメラ付ディスプレイオーディオ(PC以上で追加費用が必要)」や、「LEDヘッドランプ(ハイ/ロービーム・マニュアルレベリング機構付(PC以上には標準装備だがPAリミテッド以下には追加費用が必要))」、「ヒーテッドドアミラー(PC以上の4WDに標準装備)」が挙げられます。

さらに、快適性アップのための細かいオプションまで挙げるとなると、「USB電源ソケット([Type-A / Type-C] PAリミテッド以上に標準装備)」や、「運転席シートヒーター(PC以上に標準装備)」、「キーレスプッシュスタートシステム(エンジンスイッチ、携帯リモコン、フロントドア・バックドアリクエストスイッチ(JOIN以上のCVTに標準装備))」、「助手席シートバックテーブル(PC以上に標準装備)」など、正直そんなに必要ですか?と思っちゃうほど用意されています。

オプション名JOIN TBJOINPCPA LtdPA
スズキ セーフティー サポート
※1
LEDヘッドランプ(ハイ/ロービーム・マニュアルレベリング機構付)
マルチリフレクターハロゲンヘッドランプ(マニュアルレベリング機構付)
ヒーテッドドアミラー
※2

※2

※2
フルオートエアコン(抗菌対処タイプ/エアコンフィルター付)
※3
運転席シートヒーター
キーレスプッシュスタートシステム(エンジンスイッチ、携帯リモコン、フロントドア・バックドアリクエストスイッチ)
※4
電波式キーレスエントリー(ハザードランプアンサーパック付)
後方両側ワンアクションパワースライドドア(挟み込み防止機構付)
※3
スライドドアクローザー
※4
チルトステアリング
※4
USB電源ソケット(Type-A/Type-C、インパネに2個
フルホイールキャップ
センターキャップ
フロアカーペット
※5

※5

※5

※5

※5
ファブリックシート表皮
ビニールレザーシート表皮
分割可倒式リアシート
助手席シートバックテーブル
AM/FMラジオ(スピーカー内蔵)
バックアイカメラ付ディスプレイオーディオ
※1.受注生産。スズキ セーフティー サポート非装備車は、メーカーオプションとなります。
※2.4WD車限定
※3.フルオートエアコンと後方両側ワンアクションパワースライドドアは、セットでメーカーオプションとなります。
※4.CVT車限定
※5.JOINターボとJOINはニードルパンチ、PCとPAリミテッド、PAはビニールレザーになります。

4. 新カラー導入で全7色になる

※新型 スズキ エブリイ 全カラー

前期型(HBD-DA17V)では全6色だったボディカラーが、今回からは全7色とラインナップが1色増えました。

前期型

  1. ホワイト(26U)
  2. シルキーシルバーメタリック(Z2S)
  3. ブルーイッシュブラックパール3(ZJ3)
  4. ノクターンブルーパール(ZJP)
  5. クールカーキパールメタリック(ZVD)
  6. ムーンライトバイオレットパールメタリック(ZVJ)

新型

  1. ホワイト(26U)
  2. シルキーシルバーメタリック(Z2S)
  3. ブルーイッシュブラックパール3(ZJ3)
  4. デニムブルーメタリック(WAC)
  5. クールカーキパールメタリック(ZVD)
  6. モスグレーメタリック(WBW)
  7. パールホワイト(Z7T)

今回から廃止されたのが「ノクターンブルーパール(ZJP)」と「ムーンライトバイオレットパールメタリック(ZVJ)」の2色で、新しく加わったのが「デニムブルーメタリック(WAC)」と「モスグレーメタリック(WBW)」、そして「パールホワイト(Z7T)」の3色です。

新3色の内の一つ「デニムブルーメタリック(WAC)」は、すでに「ワゴンR」や「ハスラー」で使われていて好評を博していると思われ、同じブルー系の「ノクターンブルーパール(ZJP)」と入れ替わる形での採用となっています。「エブリイ」の歴代カラーでいうと、前々期型(EBD-DA64V)で一時採用されていた「ターコイズグリーンパールメタリック(ZDC)」に似ている(「ノクターンブルーパール(ZJP)」と「ターコイズグリーンパールメタリック(ZDC)」の中間ぐらい?)のかな?と思います。

また、「モスグレーメタリック(WBW)」に関しても、すでに「ワゴンR スマイル」や「スペーシア」で使われていて、昨夏には「キャリイトラック」での使用も開始されました。こういった何かしらの色が少し加えられたペールグレーは、昨今軽自動車に限らずSUVを始めとしたあらゆる車種に採用される傾向にあります。お洒落で飽きがきづらいのに加え、他の色と合わせやすい、汚れが目立ちづらいなどの点から、非常に使い勝手の良い色なのでしょう。納得の採用です。

最後に「パールホワイト(Z7T)」に関してですが、こちらは前期型唯一の有償オプション色「ムーンライトバイオレットパールメタリック(ZVJ)」の入れ替え色で、同様に注文時に唯一追加費用が必要になります。セダンやコンバーチブルにも良く見られるお馴染みの光沢のあるホワイトで、商用バンの雰囲気を一掃する高級感あふれるラグジュリアスカラーです。それに加えて、「キャンピングカーのボディカラーと言えばホワイト」のイメージは現在でも色濃く残っているので、恐らく「ドリームミニ」でも頻繁に注文をお受けすることになると考えています。

新色について色々と感想を述べてきましたが、追加費用が必要な新色「パールホワイト(Z7T)」は「JOIN」と「JOINターボ」のみに設定されているなど、全ての色が全てのグレードで選択できるわけではありません。下記に新色のリストと、それらのグレードごとの対応表を載せておきます。宜しければ参考になさってください。

カラー名JOIN TBJOINPCPA LtdPA
1.ホワイト(26U)
2.シルキーシルバーメタリック(Z2S)
3.ブルーイッシュブラックパール3(ZJ3)
4.デニムブルーメタリック(WAC)
5.クールカーキパールメタリック(ZVD)
6.モスグレーメタリック(WBW)
7.パールホワイト(Z7T)
※●は注文時に追加費用が必要

5. その他

前期型には「PA」以外のグレードに装備可能だった「メーカーの安全装置セット」ですが、新型からは「スズキ セーフティ サポート」として全グレードで標準装備になりました。「スズキ セーフティ サポート」無しの注文は「PA」においてのみ可能ですが、発注時にそれを伝えなければならず、「スズキ」曰く「スズキ セーフティ サポート」を無くすこと自体がメーカーオプションという位置づけだそうです。

スズキ セーフティ サポート」は、前期型「メーカーの安全装置セット」の10機能(デュアルカメラブレーキサポート、後退時ブレーキサポート、誤発進抑制機能、後方誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能、ハイビームアシストエマージェンシーストップシグナル、ヒルホールドコントロール、車両走行安定補助システム≪ESP≫)を引き継ぐ(それぞれの機能で多少改良は行われていると思います)のに加えて、周囲の明るさに応じてライトのON/OFFを自動で切り替えする「オートライトシステム」と、ライトの消し忘れによるバッテリー上がりを防止する「ライト自動消灯システム」も標準で装備されるようになりました。また、有償オプションではありますが、「ディスプレイオーディオ(PC以上で追加費用が必要)」に付いている「バックアイカメラ」も安全装置の一つと言えます。

ダッシュボード周りの環境改善などその他の細かいところを挙げればきりが有りませんが、それらを含めた機能性・快適性などの満足度は、主に将来のユーザーの声を頼りにチェックしていきたいと思います。

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